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この記事を監修した人

檜田 和毅
檜田 和毅
シェルパ税理士法人 パートナー 公認会計士・税理士・MBA(国際経営学)

四大監査法人の一つに勤務後、米国へのMBA留学を経て、2013年に参画、2016年の税理士法人立ち上げよりパートナー

上場準備会社のIPOプロジェクトの責任者として実際の上場まで従事した経験を持ち、国際税務やM&Aにかかる会計税務も専門とする。

2025年5月21日、高級中華料理店の聘珍楼が破産手続きを開始したと報じられました。超有名店ですので、大きなニュースとなりました。破産の原因に関するいくつかの考察の中には、問題は“高級店がゆえ”、うまく時代の流れに合わられなかったことではないか、というものがありました。 

周りの競合店がバイキング形式で提供したり、DX化を進めて人件費を抑えたりしているのに、聘珍楼は、聘珍楼であるが故に、質的にも量的にもサービスの効率化を図ることができず、従来のスタイルを貫かざるを得なかった、と。時代に合わせてスタイルを変えていくことができずに結果として経営破綻をしてしまったというのは、それが本当の原因なのかは外部からは判断できませんが、考えさせられるものがあります。 

聘珍楼も全くの無策だったとは考えられません。ファストフード寄りの業態や物販など、色々と生き抜く術を模索していたのだと思います。ただし高級店がそれをやっても顧客はそれを求めておらず、逆にブランド価値を毀損するという結末を迎えてしまったかもしれません。 

有名なために既存のブランドが逆に戦略の幅を狭めてしまうケースでは、同じ運営主体でもブランドを変えて新たな業態に進出するという戦略もあります。化粧品やアパレル業界などでよく採られている戦略だと思います。広げすぎたサービスを一旦集約する、という、前向きな暫定的縮小という戦略もあったかもしれません。 

内実を見られる立場にないので問題の本質は知り得ませんが、単純に質の問題かもしれませんし、サービス精神の差もしれませんし、ブランドへの奢り、それを厳しく戒めるトップの存在、経営に絶対の正解はありませんので特定はできませんし、答えは一つだけではないはずです。 

重要なのは、聘珍楼だって安泰ではない、ということを教訓として、今一度、自社の収益が何を源泉としているのかを考えることなのだと思います。これは絶対的な答えは一つだけだと言い切りたいと思います。それは、お客さま、であるはずです。 

お客さまに選んで頂く、これが会社の目標の最高位にあって、そのための活動は会社や業界や時代の状況で臨機応変に対応しないといけない。常に流れを読み、自社なりに考える最高を追求していかなければならない。会社の活動に正解も結論もなく、果てしなき道ですが、だからこそやりがいがあります。 

今のポジションにあぐらをかいてアップデートを怠っても、自己研鑽を怠っても、変遷するニーズを無視しても、顧客離れを起こすだけです。走り続けないといけないのはプレッシャーではありますが、このプレッシャーを逆に楽しめるくらい、移り変わる環境を俯瞰できる余裕も持ちたいところです。 

2025年5月21日、高級中華料理店の聘珍楼が破産手続きを開始したと報じられました。超有名店ですので、大きなニュースとなりました。なぜ破産してしまったのか、という考察も様々されています。 

聘珍楼レベルでもコロナの影響はやはり大きかった、と結論付けてしまうのは表面上のみの評価で、問題はもっと深かった、という意見が目を引きました。 

たしかに、聘珍楼本店が経営不振から香港系ファンドに事業譲渡をしたのは2016年とコロナ前の出来事ですから、コロナは破産の主な原因ではなく、ダメ押しにすぎなかったと言えそうです。 

いくつかの考察の中には、問題は“高級店がゆえ”、うまく時代の流れに合わられなかったことではないか、というものがありました。 

周りの競合店がバイキング形式で提供したり、DX化を進めて人件費を抑えたりしているのに、聘珍楼は、聘珍楼であるが故に、従来のスタイルを貫かざるを得なかった、と。高級店のためサービスの質的にはもちろん、量的にも効率化を図ることが許されなかった。結果として人件費や材料費が経営を圧迫しているにも関わらず、時代に合わせてスタイルを変えていくことができずに結果として経営破綻をしてしまったというのは、それが本当の原因なのかは外部からは判断できませんが、考えさせられるものがあります。 

聘珍楼も全くの無策だったとは考えられません。ファストフード寄りの業態や物販など、色々と生き抜く術を模索していたのだと思います。ただし高級店がそれをやっても顧客はそれを求めておらず、逆にブランド価値を毀損するという結末を迎えてしまったかもしれません。 

有名なために既存のブランドが逆に戦略の幅を狭めてしまうケースでは、同じ運営主体でもブランドを変えて新たな業態に進出するという戦略もあります。化粧品やアパレル業界などでよく採られている戦略だと思います。 

富士フィルムのように、自社の持つ技術を活かして全く違う業界に進出するという選択肢もあったでしょう。 

広げすぎたサービスを一旦集約する、という、前向きな暫定的縮小という戦略もあったかもしれません。とはいえ、同じ飲食業界で高級店でありながら多店舗展開をしている久兵衛はいまだ健在です(もちろん実態は存じ上げませんが)。聘珍楼と久兵衛の違いはどこにあったのでしょうか。 

内実を見られる立場にないので実態は知り得ませんが、単純に質の問題かもしれませんし、サービス精神の差もしれませんし、ブランドへの奢り、それを厳しく戒めるトップの存在、経営に絶対の正解はありませんので特定はできませんし、答えは一つだけではないはずです。 

重要なのは、聘珍楼だって安泰ではない、ということを教訓として、今一度、自社の収益が何を源泉としているのかを考えることなのだと思います。これは絶対的な答えは一つだけだと言い切りたいと思います。それは、お客さま、であるはずです。 

お客さまに選んで頂く、これが会社の目標の最高位にあって、そのための活動は会社や業界や時代の状況で臨機応変に対応しないといけない。常に流れを読み、自社なりに考える最高を追求していかなければならない。会社の活動に正解も結論もなく、果てしなき道ですが、だからこそやりがいがあります。 

今のポジションにあぐらをかいてアップデートを怠っても、自己研鑽を怠っても、変遷するニーズを無視しても、顧客離れを起こすだけです。走り続けないといけないのはプレッシャーではありますが、このプレッシャーを逆に楽しめるくらい、移り変わる環境を俯瞰できる余裕も持ちたいところです。 

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