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この記事を監修した人

檜田 和毅
檜田 和毅
シェルパ税理士法人 パートナー 公認会計士・税理士・MBA(国際経営学)

四大監査法人の一つに勤務後、米国へのMBA留学を経て、2013年に参画、2016年の税理士法人立ち上げよりパートナー

上場準備会社のIPOプロジェクトの責任者として実際の上場まで従事した経験を持ち、国際税務やM&Aにかかる会計税務も専門とする。

国税庁は2025年7月より、全ての相続税申告書を対象として“AI税務調査”を開始するとのことです。

過去の申告漏れ等の事例を学習し、2023年以降に生じた相続に係る相続税申告書について税務リスクを0から1の間でスコアリング、税務リスクが高いと判定された申告について税務調査の要否などを判断するそうです。

かつてのAIは必ずしも人間がほしい情報を与えてくれるわけではなかったですが、昨今のAIの進化を考えると、それなりの精度を持ったAIができあがる可能性は高いのではないかと考えられます。

きっとこの流れは法人税や所得税、消費税にもやってくるのだと思います。

ただ、私たちの世界でも言えることですが、AIは有効な情報提供をしてはくれますが、最終的な判断はまだ人間がしないといけません。

最近いくつか税務調査の対応をしましたが、その場では情報収集にとどめ、情報を持ち帰って後から色々と連絡をしてくるケースが増えたように感じます。

直接確認したわけではないですが、情報を持ち帰って、上長と相談、または上長の指示で動いていると推測されます。

それでは、“現場力”は養えないでしょ、と感じるばかりでした。

今後“AI調査官”が「ここに申告漏れがあります」と納税者に指摘したところで、無条件に納得して修正に応じる納税者はいないでしょう。なぜ申告漏れと判断されるのかを人間の調査官が説明し、納税者に納得してもらうプロセスは欠かせないと思います。その時に、人間の調査官が現場力を持ち合わせていないと、どれだけ優秀なAIを用意したとしても、結局は有効な税務調査は行えないのではないかと思います。国税庁が100%の自信を持つAIが登場し、強制的に更正をしてくるようになってしまったら話は別ですが。。

結局のところ、AIがどれだけ進歩しても、人間がそれを使いこなす必要があります。AIへの指示やAIの出力内容の判断などについては、経験者や専門家としての知見経験が必要とされると思います。

私たちも生成AIの活用をどんどん進めていくことにいたしました。日々研究をし、より効率的に作業をこなし、よりコンサルティングの部分に時間を使ってお客さまのお力になれるよう、体制を整えています。

私たちの取り組みが皆さまのご参考になれば幸いと考えております。まだまだ勉強中のステージではございますが、私たちの活動にご興味をお持ちいただけましたら可能な範囲で情報共有させていただきたいと考えておりますので、お気軽にお声がけください。

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