1. 入退社の手続きについて
新入社員を迎えるときや、社員が退職するときには、さまざまな手続きを行わなければなりません。しかし、やることが多岐にわたるため、時間や労力がかかります。必要書類も多いため、管理するのが非常に難しいでしょう。アウトソース化することで、業務の効率化に繋がる可能性もあります。
ここでは、主に社外で行われる手続きを簡単にまとめました。
1-1. 入社時に必要となる手続き
入社時には、「社会保険・厚生年金の加入」「雇用保険の加入」「住民税の手続き」「所得税の手続き」が必要となります。
1-1-1. 社会保険・厚生年金の加入
・記入する書類:健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
(被扶養者がいる場合:健康保険被扶養者(異動)届、第3号被保険者関係届)
・提出先:管轄の年金事務所窓口(郵送の場合:事務センター)
・社員からの必要書類:マイナンバー(被扶養者含む)
新しく社員を採用したら、まずは健康保険や厚生年金へと加入する必要があります。正社員はもちろんですが、パートやアルバイトでも、正社員の一日の所定労働時間や一ヶ月の労働日数の3/4以上の労働時間や労働日数である場合は加入しなければなりません。
1-1-2. 雇用保険の加入
・記入する書類:雇用保険被保険者資格届
・提出先:管轄のハローワーク
・社員からの必要書類:雇用保険被保険者番号
新入社員が入社した翌月10日までに、管轄のハローワークへ提出します。パートやアルバイトは、週の労働時間が20時間以上の場合は加入する義務があります。新入社員が転職の場合は、前職の雇用保険(失業保険)被保険者証に記載されている「雇用保険被保険者番号」が必要です。もし紛失しているときは、前職の会社名が分かれば問題ありません。
1-1-3. 住民税の手続き
・記入する書類:特別徴収切替届出(依頼)書
・提出先:社員の住民票がある自治体
・社員からの必要書類:なし
新入社員が入社前に住民税を普通徴収で納めていた場合、または前の職場から「給与所得者異動届出書」が送られてきた場合は、手続きが必要です。前職からの異動届は、社員が直接持参するケースも想定されます。前年度に所得がない場合は不要です。
1-1-4. 所得税の手続き
・記入してもらう書類:給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・社員からの必要書類:前職の源泉徴収票
新入社員に記載してもらう書類です。これをもとにして、源泉所得税を計算します。
なお転職者の場合は、前職の源泉徴収票が年末調整時に必要となります。忘れずにもらうようにしましょう。
1-2. 退社時に必要となる社外的な手続き
退社時には、「社会保険・厚生年金の脱退」「雇用保険の喪失」「住民税の手続き」「所得税の手続き」が必要となります。
1-2-1. 社会保険・厚生年金の脱退
・記入する書類:健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届
・提出先:管轄の年金事務所窓口(郵送の場合:事務センター)
・社員からの必要書類:健康保険証
退職の場合、健康保険と厚生年金の喪失手続きを行います。その際には、本人の健康保険被保険者証(扶養者分も)が必要です。忘れずに回収しましょう。もし回収できなければ、「健康保険被保険者証回収不能・滅失届」も合わせて提出します。
1-2-2. 雇用保険の喪失
・記入する書類:雇用保険被保険者資格喪失届、雇用保険被保険者離職証明書
・提出先:管轄のハローワーク
記入する書類には、本人の署名が必要な欄もあります。本人に確認してもらい、署名をもらっておきましょう。なお、本人から離職票の交付希望があれば、離職証明書も忘れずにハローワークへ提出する必要があります。この離職証明書があれば、退職者は雇用保険の基本手当が受給できます。
1-2-3. 住民税の手続き
・記入する書類:給与支払報告に係る給与所得異動届
・提出先:社員の住民票がある自治体
・社員からの必要書類:なし
住民税の徴収方法を、
- 退職前に一括で天引きし、会社から納める
- 特別徴収から普通徴収(個人として納税する方法)に切り替える
- 次の職場で特別徴収を継続する
という選択で手続きをする必要があります。
この手続きを怠ると、特別徴収が継続されたままとなるので注意しましょう。
1-2-4. 所得税の手続き
・作成する書類:給与所得の源泉徴収票
退職から一ヶ月以内を目安に、源泉徴収票を作成して本人に交付します。退職金の支払いがあれば「退職所得の源泉徴収票」も同時に作成します。
この源泉徴収票は、転職先の年末調整、あるいは確定申告で使用する大事な書類です。忘れず作成してあげましょう。
2. 入退社手続きはアウトソース化でスムーズに
入退社手続きのポイントは、各種の申告漏れがないようにしっかりと管理して、迅速に手続きをすることです。
申告漏れが発生すると、社員側にも会社側にも不都合が生じます。入社時の健康保険の加入を忘れると健康保険証が発行できず、新入社員が通院時に困ります。退社時の住民税の切替を怠ると、特別徴収として会社側が払い続けなければなりません。なるべく迅速かつ確実に手続きするのが重要なのです。
しかしこうした手続きは煩雑ですし、時間もかかるもの。管理するのが困難だと感じるようであれば、アウトソース化するのがおすすめです。アウトソースすれば、申告漏れを防げますし、上記のようなトラブルを減らせます。業務の効率化にも繋がるでしょう。
3. まとめ
入退社の手続きでは、さまざまな機関へ必要な書類を提出しなければなりません。しっかりと管理して確実に手続きするようにしましょう。
シェルパグループでは、こうした入退社手続きの代行を承っております。各企業様の状況に応じ、手早くかつ確実に手続きを致します。とくに以下のことでお悩みなら、ぜひご相談ください。
・入退社手続きの担当者が多忙で、手続きに時間を割くのが難しい
・入退社手続きのトラブルが続いている
・知識がないのでこうした手続きに自信がない
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