2025年3月メルマガ挨拶文

この記事を監修した人

檜田 和毅
檜田 和毅
シェルパ税理士法人 パートナー 公認会計士・税理士・MBA(国際経営学)

四大監査法人の一つに勤務後、米国へのMBA留学を経て、2013年に参画、2016年の税理士法人立ち上げよりパートナー

上場準備会社のIPOプロジェクトの責任者として実際の上場まで従事した経験を持ち、国際税務やM&Aにかかる会計税務も専門とする。

今まで日本が参考としてきた国の一つであるドイツが、今や苦境に陥っているそうです。

一例として、高級車の代名詞でもあるポルシェが先月、2029年までの1900人の人員削減を発表しました。

EVへの全振りというEUの戦略の失策という側面もあるでしょうが、根本には就業時間の短縮もあるようです。

ドイツでは有休の繰越ができないものの、病欠は有休扱いにならず、最大6週間は100%の給与が保障されるそうです。そして病欠が3日未満なら医師の診断書が不要なのだそうで。結果として祝休日の前後に“病気”になってしまう人が増えてしまった、と。それに加えて繰越ができないならと積極的に有休消化もしている。

私たちはフルタイムで計算すると1日8時間労働、月の営業日数を20日として、年間の労働時間は残業や有休を考慮しないと8時間×20日×12ケ月で1,920時間です。1日に7時間だったとしても1,680時間です。

ドイツの年間労働時間は、1,342時間だそうです。かなり少なく感じますね。

OECDの統計で33カ国中の最下位だったようです。

ちなみに1位はメキシコで2,207時間、主要国ではカナダが7位で1,865時間、アメリカが9位で1,799時間だったようです(2023年統計)。かつてモーレツ社員たちがいた日本は今や22位で1,611時間とのことです。非正規の方も増えているので上記の1,920時間と比して短いのかも知れません。「24時間働けますか?」は正真正銘の死語ですね。

一方で、リーマンショック後に財政危機に陥ったギリシャは、今は見事に危機を脱したそうです。今のギリシャの労働時間は、上記統計では4位の1,897時間です。週6日勤務も認められるようになったとのことです。

日本では逆に週休3日も検討されていますね。

長く働けばいいというものではないし、今は就業時間が長いと採用で不利になってしまうという事情もあります。弊所も働いた時間の長さでは評価していません。あくまでどれだけの成果を出せたか、どれだけお客さまのお役に立てたかを重視しています。

それでも、考え方が古いかもしれませんが、今ほど就業環境に対する視線が厳しくなかった時代は、それこそモーレツに働いたものでした。

その時間を経て本当に成長できたと実感しますし、でも早く帰りたいからより効率的なやり方を必死に模索したし、そもそも稼働時間が長いので生み出した成果もそれだけ多かったのだと思います。その時代の財産で現在働いていると感じる方は少なくないのではないでしょうか。

過労死してしまうほど働かせるのは、社員の人生や生活を預かる経た者として論外です。でも社員の成長を願う経営者の方は多いと思います。その時、就業時間をできるだけ短くしてあげるのが社員の成長・幸せのためになるのか?

葛藤です。

社員の幸せがどこにあるのか。時代の流れに合わせるのが正解なのか。今の流れは、本当に国力増強のためになるのか。 このメルマガをお読みいただいていいたら、是非機会があればご意見を頂けましたら幸いです。

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