国際税務
13海外赴任者の二重課税の排除
海外赴任者に起こりうる二重課税 海外赴任者が、現地国と日本の双方で給与を受け取ることとなる場合でも、居住国での課税が基本となることから、日本では所得税を課されず、日本で受け取る分も含めて現地国のみで所得税を申告・納税すればいいことになります。ただし、これは日本の非居住者に該当した
海外赴任時の諸に対する税金
海外赴任者が受け取る諸手当の課税関係海外赴任に限らず、社員が国内や海外に出張した際や国内での転勤などでも、追加的に諸手当を支給することがあると思います。家族手当や役職手当などの一般的に支給される諸手当は給与所得を構成し、所得税や社会保険の対象となりますが、通勤手当などについては(社会保険の算
恒久的施設について
恒久的施設とは恒久的施設とは、英語では Permanent establishment といい、日本でも略してPEなどと呼ぶことがあります。「PEなくして課税なし」というように、PEは、海外において課税の対象とするかどうかの判断をする、どちらかというと法人税に関係してくる概念です。 まず
出国税について
◆”出国税”について 平成27年度税制改正により、2015年7月1日以降に国外に転出する際に対象となる資産を1億円以上保有している一定の居住者は転出の時点で課税されることとなりました。これは国外転出時課税制度といい、2019年1月7日から適用されることとなった国際観光旅客税の別名である出国税
海外赴任者の帰任後の課税関係
◆海外赴任者が再度日本における課税対象になる時点 海外赴任者は、1年以上の期間を予定して海外赴任をした際には、その海外赴任期間の開始日から日本の非居住者に該当することとなり、給与所得は日本においては課税の対象とならなくなります。そして海外赴任期間を終えて日本に帰国することとなった場合には、そ
海外赴任者の出国前の課税関係
◆日本の非居住者に該当するケース社員が海外赴任をした際、その赴任期間が1年以上の期間を予定している場合には、海外赴任をすることとなる日から日本の非居住者に該当し、現地での労働の対価として受け取る給与等は日本における課税の対象とはならなくなります。◆海外赴任期間中に日本の居
共通報告書基準(CRS)
◆CRSとは Common Reporting Standardの頭文字をとった言葉で、日本語では共通報告基準というものになります。 これは国際的な租税回避を防止するために、OECD(経済協力開発機構)が策定した、各国の金融機関の情報を交換し合うというものになります。 2018年より
海外赴任者が日本で受け取る給与について
海外赴任者に対して、基本的には赴任先の現地法人から給与を支給する必要がありますが、社員の希望などにより給与の一部を現地ではなく日本にて、日本の口座に支給することがあります。◆海外赴任者が日本で給与を受け取るケース較差補填分を日本法人が負担する場合や、現地通貨ではなく日本円での支給を希望す
租税条約について
租税条約とは、条約ごとに呼称が異なりますが、「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国政府と○○政府との間の条約」などの正式名称があります。名称の通り、租税条約とは、日本とどこかの国との“二国間“で、二重課税の排除と、脱税や租税回避を防止するために行われる取り
二重課税を回避するには
海外から報酬などの支払いを受ける時、現地国にて源泉徴収をされた分についても日本で申告納税をすると、日本と海外において、同じ所得に対して二重に納税をすることとなってしまう可能性があります。この点、海外で源泉徴収をされた分の所得についても日本において申告の金額に含める必要があるのですが、当該所得