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第17回小規模事業者持続化補助金の公募が決定! 前回までとの違いや申請時の注意点などについて解説
中小企業庁から「令和6年度補正予算案(中小企業・小規模事業者等関連予算)」が発表され、その中に2025年も引き続き小規模事業者持続化補助金の公募が行われるという旨の記載がありました。
小規模事業者持続化補助金とは、持続的な経営に向けた経営計画に基づいた小規模事業者等の地道な販路開拓等の取り組みや、業務効率化の取り組みを支援するため、それに要する経費の一部が補助されるというものです。幅広い事業経費が補助対象となっており、その汎用性の高さからとても使いやすく人気のある補助金です。
2023年度までは年に4回ほどあった公募ですが、2024年度は5月ごろに1回のみの公募に留まっており、それ以降の公募は発表されていなかったため、再度の公募を望む声が多く上がっていました。
そのため、今回久しぶりに公募が発表されたことが大きな話題となっているのです。
本記事では、現在注目されている第17回小規模事業者持続化補助金の概要や補助要件、前回との違いなどについてわかりやすく解説していきます。
詳細や最新の情報につきましては、小規模事業者持続化補助金事務局のホームページをご確認ください。
リンク:小規模事業者持続化補助金について
小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者持続化補助金(=持続化補助金)は、小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度です。
本補助金の詳細や具体的な申請方法につきましては、小規模事業者持続化補助金事務局のホームページ、または弊社の過去の記事で解説していますので、一度確認してみてください。
リンク:【補助金・助成金】小規模事業者持続化補助金とは?対象者や申請の注意点なども解説!
公募開始までに準備するべきこと
第17回持続化補助金の具体的な公募期間はまだ発表されていません。3月ごろに公募が開始されるのではと言われていますが、予想の域を出ていないのが現状です。
申請を検討している場合は、いつ公募が開始されても良いように準備しておくことが大切です。
以下に、公募開始までに準備するべきことについて解説します。
GビズIDを取得しておく
「GbizID」は、行政手続きのオンライン化を進めるために用いられる認証システムです。小規模事業者持続化補助金を申請するには、GbizID(特に「GbizIDプライム」)の取得が必要不可欠です。取得までに時間がかかることもあるため、まだ取得していない場合は早めに申し込むようにしてください。
リンク:GビズID
事業計画を立てておく
導入を検討している設備や、実施予定の事業についての事業計画をあらかじめ立てておくことで、余裕をもって申請手続きを行うことができます。また、過去の採択事例を参照し、どのような点が評価され、採択されたのかを確認することで、計画書の作成に必要なポイントや方向性を把握することもできるので、ぜひ一度チェックしてみてください。具体的な事業計画書の書き方や文章の表現方法などについては、支援機関や専門家に相談することで、回り道をすることなく書き進めることができるでしょう。
リンク:事例から学ぶ「持続化補助金」 | 経済産業省 中小企業庁
見積り・打ち合わせを進めておく
前回の持続化補助金は事業実施期間がとても短かったため、期間内に事業を実施できずに採択を取り下げざるを得なかった事業者が少なからずいました。第17回持続化補助金の事業実施期間は未定ですが、店舗改装などの打ち合わせや事業実施に時間のかかる事業を計画している場合は、早めに業者へ打ち合わせや見積りの依頼をしておくと良いでしょう。
今回の公募要件と前回との違いについて
第17回持続化補助金では、政策の原点回帰を行い、経営計画の策定に重点化するため、複数ある特別枠が整理されました。具体的な公募要件や変更内容を、現在公開されている情報をもとに以下に解説していきます。
補助枠の分類について
第17回の持続化補助金は、以下の4つの型にそれぞれ分類されます。
一般型 | ||||
通常枠 | インボイス特例 | 賃上げ特例 | 災害支援枠 | |
要件 | 経営計画を作成し販路開拓等に取り組む小規模事業者 | 免税事業者から課税事業者に転換する小規模事業者 | 事業場内最低賃金を50円以上引き上げる小規模事業者 | 令和6年能登半島 地震等における被災小規模事業者 |
補助上限 | 50万円 | 通常枠上限50万 + 上乗せ50万円 | 通常枠上限50万 + 上乗せ150万円 | 直接被害:200万円 間接被害:100万円 |
補助率 | 2/3 (賃金引上げ特例を選択した事業者のうち、赤字事業者は3/4) | 定額・2/3 | ||
対象経費 | 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、開発費、資料購入費、借料、設備処分費、委託・外注費(税理士等への相談・コンサルティング費用など) | 左記経費 + 車両購入費 |
創業型 | |
要件 | 産競法に基づく「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者 |
補助上限 | 200万円(インボイス特例は適用) |
補助率 | 2/3 |
対象経費 | 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、開発費、資料購入費、借料、設備処分費、委託・外注費(税理士等への相談・コンサルティング費用など) |
共同・協業型 | |
要件 | 地域に根付いた企業の販路開拓を支援する機関が地域振興等機関となり、参画事業者である10以上の小規模事業者の販路開拓を支援 (参画事業者は小規模事業者に限定) |
補助上限 | 5,000万円 |
補助率 | ・地域振興等機関に係る経費:定額 ・参画事業者に係る経費:2/3 |
対象経費 | 【地域振興等機関】 人件費、委員等謝金、旅費、会議費、消耗品・備品費、通信運搬費、印刷製本費、雑役務費、委託・外注費、水道光熱費 【参画事業者】 旅費、借料、設営・設計費、展示会等出展費、保険料、広報費 |
ビジネスコミュニティ型 | |
要件 | 商工会・商工会議所の内部組織等(青年部、女性部等) |
補助上限 | 50万円(2以上の補助対象者が共同で実施する場合は100万円) |
補助率 | 定額 |
対象経費 | 専門家謝金、専門家旅費、旅費、資料作成費、借料、雑役務費、広報費、委託費 |
リンク:持続化補助金の概要
ポイント・前回からの変更点
- 卒業枠・後継者支援枠が廃止され、創業枠が新たに創業型として新設されました。
- 災害支援枠の補助要件において、新たに令和6年奥能登豪雨も対象となりました。
- 共同・協業型とビジネスコミュニティ型が新設されましたが、これらは商工会議所などの地域振興団体に向けての補助金であるため、小規模事業者が行った事業に直接補助されるものではありません。
申請時の注意点
ここでは、第17回持続化補助金の申請時に注意すべきことについて解説していきます。
申請書類のミスに注意
前回の公募時には、申請書類の入力ミスなどによる不採択者が複数いたとの注意喚起が補助金事務局からありました。第17回持続化補助金は前回の公募からかなり期間が空いているため、申請数が増加し採択率が下がることが予想されています。些細な書類のミスにより不採択になることも考えられるため、申請書類は細心の注意をはらって用意する必要があるでしょう。
認定支援機関の混雑に注意
持続化補助金を申請するためには、商工会・商工会議所などの認定支援機関に事業支援計画書(様式4)を発行してもらう必要があります。先述の通り第17回持続化補助金は申請数が増加することが予想されており、それに伴い認定支援機関の窓口も込み合うことが予想されます。認定支援機関によっては事業支援計画書を即日発行できないこともあるため、スケジュールに余裕をもって認定支援機関に行くようにしてください。
また、事業支援計画書の発行受付は、持続化補助金の申し込み締め切り日よりも早く締め切られることが多いため、あらかじめ管轄の認定支援機関の公式HPなどで締め切り日を確認しておくと良いでしょう。
補助金ありきの計画や取組とならないよう注意
補助金の受け取りという結果のみを追い求めて、無理のある計画や意味のない取組となっていないか注意する必要があります。持続化補助金は、事業者が持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う取組を支援することを目的とした制度のため、その主旨から外れていないか確認する必要があります。
まとめ
いかがでしたか?
本記事では第17回小規模事業者持続化補助金の概要や補助要件、前回との違いなどについて解説してきました。
本補助金は、販路開拓を行い、持続的な経営を目指す事業者にとって非常に役立つものです。行いたい事業や、導入したい設備がある事業者の方々は、ぜひ申請をご検討ください。
事業計画書の書き方がわからない、またやりたい事業や導入したい設備が補助対象かどうかわからない等、申請に関してお困りごとがある場合は、ぜひビジネス・カタリストをはじめとしたシェルパグループにお気軽にお声がけください。
本記事が小規模事業者持続化補助金の理解を深めるうえでお役に立てますと幸いです。
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