猛威を振るい続ける新型コロナウイルスの蔓延により、多くの人が自粛せざる得ない状況になっています。自粛により減った利用者の影響からか、会社によっては赤字が出たり、倒産の危機に陥ってしまったりと、コロナ倒産と呼ばれるほどの事態にもなっています。
しかしこのようなコロナ禍であっても、経営を続ける望みはまだあります。企業に融資を行う日本政策金融公庫では、コロナの特別融資制度を設けています。今回のその融資制度について詳しく説明していきましょう。
そもそも日本政策金融公庫とは?
財務省所管の特殊会社である日本政策金融公庫は、100%政府が出資している金融機関です。日本にある5つの内の政策金融機関の一つになっており、低い金利で貸付しているのが特徴であります。
そんな日本政策金融公庫では、事業を営む多くの方を対象にした一般貸付や売上が減少するなどといった業況が悪化している方を対象にしたセーフティネット貸付、さらには新たに事業を始める方や事業開始後間もない方を対象にした新企業育成貸付などを用意しています。様々な融資制度を設けている日本政策金融公庫ですが、上で触れた恒常融資制度以外に、これまでには災害時に特別貸付を行っていた事例もあるのです。
その一部を紹介しますと、東日本大震災により被害を受けた方を対象にした東日本大震災復興特別貸付、平成28年熊本地震により被害を受けた方が対象となる平成28年熊本地震特別貸付、平成30年7月豪雨により被害を受けた方が利用できる平成30年7月豪雨特別貸付など、大きな災害に見舞われた方の救い手となる制度も用意しています。
そして2020年に感染拡大し、2021年現在未だに留まることを知らない新型コロナウイルスによって、大きな打撃を受けた会社も多いことでしょう。日本政策金融公庫では、このコロナによって苦しめられている経営を救うために特別な貸付も行っています。
日本政策金融公庫がコロナ禍で貸付している融資
日本政策金融公庫では、新型コロナウイルス関係の貸付制度を2つ用意しています。ここからは、その2つの制度を見ていきましょう。
新型コロナウイルス感染症特別貸付
新型コロナウイルス感染症特別貸付とは、コロナウイルスの影響により売り上げが減少しているなど、業況が悪化している人に向けた融資制度になっています。こちらは、さらに国民生活事業向けと中小企業事業向けの2つに分けられており、ここでは例として中小企業事業向けの貸付を詳しくご紹介していきます。
新型コロナウイルス感染症特別貸付における中小企業事業向けの融資では以下に当てはまる方は融資の対象となります。
1.最近1ヵ月の売上高または過去6ヵ月(最近1ヵ月を含む。)の平均売上高が前年または前々年同期に比し5%以上減少していることまたはこれと同様の状況にあること
2.中長期的にみて、業況が回復し、かつ、発展することが見込まれること
上記どちらにも当てはまる方でなくては利用できません。また、融資を受けた際の資金の使い道も限られます。経営のための設備資金および長期運転資金でしか使えなくなっており、融資限度額は直接貸付6億円となっています。
返済期間は設備資金であると20年以内、運転資金であると15年以内です。また、担保は無担保になっており、5年経過ごとに金利の見直し制度の選択ができます。利率は日本政策金融公庫が設けている基準利率が適用されています。
新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付
こちらは新型コロナ対策資本性劣後ローンとも呼ばれている融資制度で、新型コロナウイルス感染症の影響を受けているスタートアップ企業や事業再生に取り組む方を対象にした貸付になっています。
先ほどの制度と同じように国民生活事業向けと中小企業事業向けで用意されているので、前述と同様に中小企業事業向けのものについて説明していきます。
まず、融資を受けられるのは以下のいずれかに当てはまる方のみです。
1.J-Startupプログラムに選定された方または独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合から出資を受けて事業の成長を図る方
2.中小企業再生支援協議会の関与のもとで事業の再生を行う方
3.1および2に該当しない方であって、事業計画書を策定し、民間金融機関等による支援を受けられる等の支援体制が構築されている方
加えて資金の使い道は、事業を行うために必要な設備資金および長期運転資金のみであり、融資限度額は直接貸付で7億2千万円となっています。この返済期間は5年1ヵ月、10年、20年のいずれかから選ぶことが可能です。
無担保で、無保証人で借りることができ、気になる利率は、融資後3年間は0.50%となっています。3年経過すると毎年直近決算の業績に応じて利率が決定されるようになっているので、詳しくは日本政策金融広告のサービス案内をご覧ください。
コロナ禍における日本政策金融公庫の特別貸付についてまとめ
ご紹介してきたように経営者のいかなる場面でも助役となっている日本政策金融公庫は、コロナの影響にも対応し特別貸付によって業績悪化を防ぐことができます。利用できる制度は2つあり、それぞれ国民生活事業向けと中小企業事業向けがあります。
どちらもここではご紹介しきれない注意点もあるので、利用を検討している方は公式ホームページにアクセスし、概要を把握された上で申し込みされることをおすすめします。
シェルパグループでもご相談にのれますので、お気軽にご連絡ください。
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