合同会社の正しい略称とは?意外と知らない会社形態の基本も解説!

近年、「合同会社」という会社形態を耳にすることが増えてきました。しかし、その略称や正しい使い方については意外と知られていません。

この記事では、合同会社の基本から正しい略称の使い方、他の会社形態との違い、メリット・デメリット、そして近年増加傾向にある背景まで詳しく解説していきます。

合同会社の正しい略称は「(同)」

合同会社の正しい略称

合同会社の正しい略称は「(同)」です。

株式会社の「(株)」はよく見かけますが、合同会社の略称は意外と知られていないかもしれません。

たとえば「合同会社未来テクノロジーズ」は「(同)未来テクノロジーズ」と省略できます。銀行振り込みの際などカタカナの場合には「(ド)」と表記します。

これは「株式会社=(株)」と同様に、法人形態を短く表す表記法の一つです。契約書や名刺など限られたスペースに会社名を記載する場面でよく用いられます。

合同会社の基本

合同会社は、2006年に施行された会社法で新しく導入された会社形態です。出資者全員が有限責任社員であり、経営にも参加するのが特徴です。

株式会社のように株主総会や取締役会といった機関を設置する必要がなく、意思決定が迅速におこなえるメリットがあります。

特徴は、以下のとおりです。

合同会社の特徴

合同会社の略称「(同)」の使用例

合同会社の正式名称の後に、括弧書きで「(同)」と記載します。

【例】

〇〇合同会社 〇〇(同)

合同会社△△ (同)△△

実際に「(同)」という略称は、以下のような場面で使われています。

合同会社の表記例

ただし、商業登記簿や税務書類では正式名称(例:合同会社未来テクノロジーズ)を使うのが原則です。

(同)ではない略称を使うケースがある

基本的に合同会社は(同)を略称として使用しますが、ごく稀に提出先によって(合)を使用する場面があります。

【例】

・建設業許可申請

・国土交通省の申請

これらは「合同会社」と「協同組合」を分けるために「合同会社は(合)」「協同組合は(同)(協組)」に略称が指定されています。

重要な書類を提出する際には提出先の略称指定を確認したうえで、使用するようにしましょう。

合同会社の英語表記とその使用例

合同会社の英語表記は「LLC(Limited Liability Company)」です。これは、アメリカなどの英語圏における同様の法人形態を指す名称でもあります。

合同会社の英語表記使用例

日本の会社であっても海外展開を視野に入れている場合は、正式名称に「LLC」を付けることで国際的な信用を得やすくなります。

経営者が知っておきたい「合同会社のポイント」は?

経営者が知っておきたいポイントは?

合同会社の経営で押さえておくべきポイントは、以下の3つです。

合同会社のポイント

これらの特徴は、小規模ビジネスやスタートアップにとって大きなメリットとなります。

合同会社と株式会社との違い

合同会社と株式会社の大きな違いは、以下のとおりです。

合同会社と株式会社の違い

株式会社は大企業向け、合同会社はスモールビジネスに最適といえるでしょう。

合同会社のメリット・デメリットと選ばれる理由

合同会社にはメリットとデメリットがあり、それぞれを考慮して選ばれています。

合同会社のメリットとデメリット

合同会社の税務と役員の責任

合同会社は普通法人として扱われ、法人税・住民税・事業税などの課税対象となります。また、業務執行社員は、会社に対して善管注意義務および忠実義務を負います。

税務面:法人税が課税される点は株式会社と同じで納税する税金の種類も同じです。設立時に収める登録免許税の計算方法に違いがあり、株式会社と比べて安価となります。

役員の責任:合同会社の社員(出資者兼経営者)は「有限責任」です。つまり、出資額を超える債務を負うことは原則ありません。

近年増加傾向にある「合同会社」

近年増加傾向にある法人設立

ここ数年、法人設立の選択肢として「合同会社(LLC)」を選ぶケースが増えています。その背景には、設立コストの安さと柔軟な経営スタイルが大きく影響しています。

株式会社に比べて費用を抑えて設立でき、出資者自身が経営に関わることでスピーディな意思決定が可能です。

また、利益配分の自由度が高く、ビジネスパートナー間での関係を柔軟に構築できる点も魅力といえるでしょう。

特に、IT系スタートアップの第一歩やフリーランスの法人化として、合同会社は実用的で現実的な選択肢となっています。時代に合った“軽やかな法人形態”として、今後も注目を集めていくことでしょう。

2023年新設法人のうち合同会社は4万社超

政府が公開している統計データ※1によれば、近年、合同会社の新設数は増加の一途をたどっています。2023年には株式会社が約10万社、合同会社は4万社を超えるまでになりました。

1  政府統計の総合窓口(e-Stat)

あの有名企業も合同会社

実は、誰もが知るようなあの有名企業も合同会社形態を採用しています。

  • Apple Japan合同会社
  • Google合同会社
  • Amazon Japan合同会社
  • 合同会社ユー・エス・ジェイ
  • 合同会社西友
  • コダック合同会社
  • 合同会社DMM.com

特に、海外に本社がある企業は、日本国内での迅速な意志決定をおこなうために合同会社を選択する傾向があります。

まとめ

まとめ

合同会社は低コストで柔軟な経営が可能な会社形態として、近年注目を集めています。

略称「(同)」の使い方や英語表記「LLC」など、基本的な知識を理解しておくことで、ビジネスシーンにおいて高い信頼性や対外的に好印象を得ることができます。

また、会社形態を見直したい経営者にとって、合同会社は非常に有力な選択肢です。まずは特徴を正しく理解し、経営に活かしましょう。

この記事は役に立ちましたか?

もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。