【補助金・助成金】働き方改革推進支援助成金とは?制度内容や具体的な事例について解説

働き方改革推進支援助成金について、2024年度の交付申請が現在受付中です。本助成金は労働時間の削減と共に生産性の向上を図る事業者に向けたもので、中小企業における労働時間の設定の改善の促進を目的としています。本記事では、働き方改革推進支援助成金について概要やポイント、申請時の注意点まで詳しく解説していきます。

詳細や最新の情報につきましては、中小企業省力化投資補助金の事務局のホームページをご確認ください。

参照:働き方改革支援助成金について|厚生労働省

 

 

働き方改革推進支援助成金とは

少子高齢化が進む現代社会において、事業者は多様な世代・ライフステージの労働者を雇うことで労働力を確保する必要があります。そして労働者の多様化に伴い、その働き方も多様化しています。このニーズに柔軟に対応するため、事業者は働き方改革を行い、労働者が能力を発揮しやすい環境を作ることで、生産性の向上や労働者のワークライフバランスの実現を目指すことが必要とされるのです。

そんな事業者の働き方改革の推進を後押しするための制度として設けられたのが働き方改革推進支援助成金です。本助成金は、生産性を高めながら労働時間の縮減等に取り組む中小企業・小規模事業者や、傘下企業を支援する事業主団体が受け取ることができるもので、中小企業における労働時間の設定の改善の促進を目的としています。

本補助金を活用することで、労働時間を短縮するために導入する設備や機器の購入費や、就業規則作成や労働管理に係る費用について助成を受けることができます。

主な助成内容

主な助成内容は以下の通りです。

  • 労務管理担当者や労働者に対する研修
  • 外部専門家によるコンサルティング
  • 就業規則や労使協定の作成・変更
  • 労務管理用のソフトウェアや機器の導入・更新
  • 労働能率の増進に資する設備・機器の導入・更新

申請の流れ

令和6年度における申請から交付までの手続きは以下の通りです。

手続き内容備考・注意点
1「交付申請書」を、最寄りの労働局雇用環境・均等部(室)に提出締切:11月29日(金)
持ち込み・郵送・電子申請いずれも可
2交付決定後、提出した計画に沿って取組を実施事業実施期限:令和7年1月31日(金)まで
(団体促進コース:2月14日/砂糖製造業:3月15日)
3労働局に支給申請申請期限は、事業実施予定期間が終了した日から起算して30日後の日または令和7年2月7日(金)のいずれか早い日

申請における注意点

申請時に注意すべきポイントについて以下に解説します。

条件を満たしているか

まずは対象事業者であるか、対象の取組がされているかなどの確認をしっかりと行うようにしてください。

就業規則の整備や記載事項の確認など、事前にしておかなければならないこともあるため注意するようにしてください。

申請書類の不備に注意

原則、申請者の都合による提出済書類の再設備・差替は認められません。事前に交付要綱・支給要綱・申請マニュアルを十分に確認した上で申請を行うようにしてください。

申請期限に注意

働き方改革推進支援助成金は、申請数が上限数に達すると締め切られてしまいます。

締切日はあくまでも目安とし、余裕を持って計画を立てて申請するようにしてください。

事業実施期間に注意

支給申請期限は、「事業実施予定期間が終了したい日から起算して30日後の日または令和7年2月7日(金)のいずれか早い日」となっているため、事業実施期間は長めに設定するようにすると、余裕を持って支給申請することができます。

タイムラグに注意

交付が決定したとしても、実際に着金するまでタイムラグが発生します。その間の資金調達など、資金繰りを計画的に行っておく必要があります。

 

 

働き方改革推進支援補助金の種類

働き方改革推進支援助成金には4つのコースがあり、どのような取組を行うかによってそれぞれコースを選択して申請します。

  1. 業種別課題対応コース
  2. 労働時間短縮・年休促進支援コース
  3. 勤務間インターバル導入コース
  4. 団体推進コース

※各コースについては別記事で詳しく解説していますので、クリックしてご覧ください。

 

 

具体的な活用事例

ここでは、働き方改革推進支援助成金の具体的な活用事例についてご紹介します。

活用事例①:顧客管理システムの導入による顧客管理業務の効率化

コース労働時間短縮・年休促進支援コース
業種道路貨物運送業
課題時間外労働の上限規制への対応として、手作業にて行われており煩雑であった顧客管理業務を簡素化して作業時間の短縮を図りたい。
実施内容顧客管理システムを導入
実施成果顧客管理作業の効率が約2.5倍にアップし、ミスやそれを補うための無駄な作業が削減された。その結果、就業規則を改定したボランティア休暇を導入することができた。

活用事例②:内視鏡自動洗浄機の導入による洗浄業務の効率化

コース労働時間短縮・年休促進支援コース
業種医療業
課題熟練者が新任の看護師に指導しながら内視鏡洗浄をしていたが、洗浄工程ごとの指導や管理も必要で人手と時間を要するため、内視鏡洗浄の効率化を図りたい。
実施内容内視鏡自動洗浄機を導入
実施成果内視鏡の洗浄に、1人または指導役も含めた2人で40分程度かかっていた時間が、1人で10分程度に削減された。
その結果、就業規則を改定し病気休暇を導入することができた。

活用事例③:フォークリフトの導入による積み下ろし作業の効率化

コース勤務間インターバルコース
業種職別工事業
課題総重量が2トン程度あり足場資材や塗装缶の積み下ろしを手作業で行っており、負担が大きい上に時間がかかっていたため、作業の効率化を図りたい。
実施内容フォークリフトを導入
実施成果経験や力によって個人差が出ていた足場資材の積み下ろし作業が、誰でも効率よく行うことができるようになり、1日あたりの作業時間を2時間程度削減することができた。
その結果、就業規則を改定し11時間以上の勤務間インターバルを新規導入することができた。

活用事例④:MR技術を活用したデバイスによる作業の省力化

コース団体推進コース
業種商工会
課題構成事業主に共通する課題である、新規入職者の少なさによる人手不足を解消したい。そのためには、新規採用の増加と、より少ない人数で作業ができるような省力化が必要である。
実施内容MRグラスと一体化したヘルメットおよびソフトウェアを導入し、構成事業主への貸出を行った。
実施成果貸出した構成事業主において、従来はメジャーを用いて2人がかりで30分ほどかけて行っていた作業が、MRグラスを使うことにより1人25分ほどで採寸することができるようになり、作業時間の累計として半分に減らすことができた。

まとめ

いかがでしたか?

本記事では働き方改革推進支援助成金について概要やポイント、申請時の注意点などについて解説してきました。

働き方改革推進支援助成金をうまく活用することで、業務の成果や効率を最大限向上させることが期待できます。さらに、業務効率化が実現することで、従業員のモチベーションやパフォーマンスが向上し、企業の持続可能な事業運営を実現することが可能となるでしょう。

どのような業務内容改善をすれば良いのか、どのような効率化ツールを導入すれば良いのかなどに迷われた際は、ぜひビジネス・カタリストをはじめとしたシェルパグループにお気軽にお声がけください。

本記事が働き方改革推進支援助成金の理解を深めるうえでお役に立てますと幸いです。

 

 

 

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