ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称ものづくり補助金)は、中小企業や小規模事業者が生産性向上や競争力強化を図るための設備投資やシステム導入を支援する国の補助金制度で、2025年2月より第19次公募が開始されました。設備投資やIT導入を検討している企業にとっては、この補助金を活用することで経費負担を大幅に軽減できる可能性があります。
本記事では、ものづくり補助金の概要や申請方法についてわかりやすく解説していきます。
詳細や最新の情報につきましては、ものづくり補助金のホームページをご確認ください。
リンク:ものづくり補助金総合サイト
ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金は、中小企業者等が今後複数年にわたる相次ぐ制度変更に対応するため、生産性向上に資する革新的な新製品・新サービス開発や海外需要開拓を行う事業のために必要な設備投資等に要する経費の一部を補助する事業を行うことにより、中小企業者等の生産性向上を促進し経済活性化を実現することを目的とした補助金制度です。
簡単に言うと、新たな製品の開発や新たなサービスの提供のための設備投資を行う際に活用できる補助金です。本補助金の活用により、企業同士の競争力を強化し、経済全体の成長を促すことが狙いとなっています。
補助対象事業について

ものづくり補助金の補助対象事業には2つの枠が設けられており、枠によって事業内容や補助額が異なります。ここではものづくり補助金の2つの補助対象事業枠について解説していきます。
製品・サービス高付加価値化枠
製品・サービス高付加価値化枠は、革新的な新製品・新サービス開発に対して設けられた申請枠です。
従業員数 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
5人以下 | 750万円 | 中小企業1/2、 小規模企業・小規模事業者及び 再生事業者2/3 |
6~20人 | 1,000万円 | 中小企業1/2、 小規模企業・小規模事業者及び 再生事業者2/3 |
21~50人 | 1,500万円 | 中小企業1/2、 小規模企業・小規模事業者及び 再生事業者2/3 |
51人以上 | 2,500万円 | 中小企業1/2、 小規模企業・小規模事業者及び 再生事業者2/3 |
グローバル枠
グローバル枠は、海外需要開拓を行う事業に対して設けられた申請枠です。
海外需要開拓を行う事業とは、国内の生産性を高めるための事業で、以下の4つを指します。
- 海外への直接投資に関する事業
- 海外市場開拓(輸出)に関する事業
- インバウンド対応に関する事業
- 海外企業との共同で行う事業
従業員規模 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
従業員規模の区切りなし | 3,000万円 | 中小企業1/2、 小規模企業・小規模事業者及び 再生事業者2/3 |
特例措置
製品・サービス高付加価値化枠、グローバル枠共に一定の条件を満たすとそれぞれの補助上限枠に上乗せして補助を受けることができます。
大幅な賃上げに係る特例
従業員等の給与支給総額の年平均成長率を6.0%以上増加し、かつ事業所の最低賃金を事業実施都道府県の最低賃金より50円以上アップすることを条件に加算される特例です。
各申請枠の補助上限額に達していない場合、常時使用する従業員がいない場合、再生事業者については適用ができません。また、最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例との併用はできないので注意が必要です。
従業員規模 | 上乗せ額 |
---|---|
5人以下 | 各補助対象事業枠の補助上限額から最大 100万円 |
6~20人 | 各補助対象事業枠の補助上限額から最大 250万円 |
21~50人 | 各補助対象事業枠の補助上限額から最大 1,000万円 |
51人以上 | 各補助対象事業枠の補助上限額から最大 1,000万円 |
最低賃金引上げに係る特例
2023年10月から2024年9月までの間で3か月以上、事業実施都道府県における最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上いることを条件に加算される特例です。
条件を満たした場合、補助率が1/2から2/3に引き上げられます。
常時使用する従業員がいない場合、小規模企業・小規模事業者、再生事業者については適用ができません。
補助対象経費について

ものづくり補助金の補助対象経費は以下の通りです。経費によって上限額や補助率が変動するため注意が必要です。
補助対象経費 | 内容 |
---|---|
機械装置・ システム構築費 | ① 機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用に要する経費 ② 専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用に要する経費 ③ ①もしくは②と一体で行う改良・修繕又は据付けに要する経費 |
運搬費 | 運搬料、宅配・郵送料等に要する経費 |
技術導入費 | 知的財産権等の導入に要する経費 |
知的財産権等 関連経費 | 特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用等 |
外注費 | 新製品・サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費 |
専門家経費 | 本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費 |
クラウドサービス利用費 | クラウドサービスの利用に関する経費 |
原材料費 | 試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費 |
海外旅費 | 海外渡航及び宿泊等に要する経費 |
通訳・翻訳費 | 通訳及び翻訳を依頼する場合に支払われる経費 |
広告宣伝・ 販売促進費 | 海外展開に必要な広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展等、ブランディング・プロモーションに係る経費 |
基本要件について

ものづくり補助金には基本要件というものがあり、原則すべての基本要件を満たす3~5年の事業計画を策定し、取り組む必要があります。事業者はそれぞれの要件ごとに目標値を設定し、それを交付申請時までに表明しなくてはなりません。未達の場合、返還義務がある要件もあるため、事業計画は綿密に策定する必要があります。以下に4つの基本要件について解説します。
製品・サービス高付加価値化枠の基本要件
①付加価値間の増加
付加価値額の年平均成長率が+3.0%以上増加となる必要があります。ものづくり補助金における付加価値額とは「営業利益+人件費+減価償却費」を指します。
②賃金の増加
1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上の増加、又は給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加、となる必要があります。
未達成の場合返還義務があります。
③事業所内最低賃金水準
事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準となる必要があります。
未達成の場合返還義務があります。
④従業員の仕事・子育て両立支援(従業員21名以上の場合のみ)
次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定・公表する必要があります。
グローバル枠の要件
グローバル枠の場合は、基本要件にさらに次の要件が追加されます。
●次のグローバル要件1~4のいずれかの事業に該当し、国内の生産性を高めること
- 海外への直接投資に関する事業
- 海外市場開拓(輸出)に関する事業
- インバウンド対応に関する事業
- 海外企業と共同で行う事業
●海外事業に関する実現可能性調査を実施すること
●社内に海外事業の専門人材を有すること又は海外事業に関する外部専門家と連携すること
公募スケジュール

第19次ものづくり補助金の公募スケジュールは以下の通りです。
公募開始日 | 2025年2月14日(金) |
電子申請受付開始日 | 2025年4月11日(金)17:00~ |
申請締切日 | 2025年4月25日(金)17:00まで |
採択公表日 | 2025年7月下旬頃を予定 |
申請の流れ

第19次ものづくり補助金の申請方法は以下の通りです。
- GビズIDプライムアカウントの発行を受ける(未発行事業者のみ)
- 申請書類を準備する
- 電子申請を行う
- 補助金交付候補者の採択決定通知を受ける
- 事務局が開催する説明会へ参加する(第19次公募より義務化)
- 交付申請をし、交付決定を受ける(採択決定通知後2ヶ月以内に交付申請する)
- 期限までに補助事業を実施する
- 実績報告をし、確定検査を受ける
- 補助金額の決定を受ける
- 補助金を請求し、着金を確認する
- 業状況報告を毎年4月に行う
まとめ

いかがでしたでしょうか?
本記事ではものづくり補助金について概要やポイントについて解説してきました。
第19次ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者にとって、生産性向上や競争力強化のための重要な支援制度です。今回の公募では、申請枠の統合や補助上限額の引き上げ、補助率の変更など、前回公募からいくつか変更点がありました。これらの変更を理解し、適切な申請計画を立てることが大切です。ものづくり補助金の申請には、事業計画の策定や必要書類の準備、審査への対応など、多くのステップが必要ですが、適切に準備を進めることで、事業の成長につながる大きな支援を受けることが可能です。
申請枠や計画書作成に迷われた際は、ぜひビジネス・カタリストをはじめとしたシェルパグループにお気軽にお声がけください。
本記事がものづくり補助金の理解を深めるうえでお役に立てますと幸いです。
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記事監修

ビジネス・カタリスト株式会社 代表取締役
株式会社きらぼし銀行(当時株式会社八千代銀行)へ入行。一環して融資審査業務に従事し、2018年に税理士法人ヒダ(現シェルパ税理士法人)へ入社。2020年にビジネス・カタリスト株式会社の立ち上げに関与し、2021年より現職。
銀行業務で培った融資支援・財務コンサルティングを専門とし、その他補助金・助成金支援業務にも携わる。
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